毎年のようにやり取りしてきたお歳暮。
感謝の気持ちはあるけれど、そろそろやめたい――そう感じていても、
「いつ」「どう伝えればいいのか」がわからず迷う方は少なくありません。
お歳暮をやめること自体は失礼ではありません。
大切なのは、角が立たないタイミングと伝え方を選ぶことです。
この記事では、
- お歳暮をやめるベストなタイミング
- 親戚・親同士でのやめ方
- 失礼にならない文例
をまとめて解説します。
相手との関係を保ちながら、気持ちよく「一区切り」をつけたい方に役立つ内容です。

お歳暮をやめるベストなタイミング
お歳暮をやめる明確な決まりはありませんが、次のような節目をきっかけにすると自然です。
- 3〜5年ほど贈り合いが続いたタイミング
- 相手からのお歳暮が途絶えた、または簡素になったとき
- 退職・転居・家族構成の変化など節目の年
- 「お気遣いなく」と言われたとき
やめるときは、「もう贈りません」と言い切るよりも、
“一区切り”という表現でやんわり伝えるのが最もスマートです。
親戚にお歳暮をやめたいときの進め方
親戚どうしのお歳暮は、長年の慣習として続いていることが多く、急にやめるのは勇気がいります。
角を立てない方法は、少しずつ簡素化してフェードアウトすることです。
ステップ例
- 品物の金額を下げる(5,000円 → 3,000円程度)
- 翌年は季節の挨拶やハガキだけに切り替える
- 最後の年に「今年を一区切りに」と一言添える
ポイントは、相手の気持ちを尊重しながら感謝で締めくくること。
やめたあとも年賀状や近況報告を続ければ、関係は円満に保てます。
親同士(両家間)でお歳暮をやめたい場合の注意点

両家の親どうしの場合は、伝え方を誤ると「無礼」と受け取られる可能性もあります。
そのため、子世代(あなた)から橋渡し役として伝えるのが安心です。
丁寧で角の立たない伝え方
「両親も年齢的に贈り物の準備が少し大変になってきたようで、
お互いに気を遣わずにいられるようにできたらと話しておりました。」
このように、「こちらの都合」としてやんわり伝えつつ、
“お互い無理のない関係を続けたい”という前向きなニュアンスを添えるのがポイントです。
また、「両親がやめたいと言っている」と伝えるよりも、
「私の方で整理を提案した」など、責任を自分側に寄せるとより柔らかくなります。

お歳暮をやめるときの基本マナーとコツ
お歳暮をやめるときに大切なのは、「感謝」「事情」「継続の意思」の3ステップです。
ステップ | 内容 | 例文でのポイント |
---|---|---|
① 感謝 | これまでのお付き合いへのお礼 | 「長年のご厚情に心より感謝申し上げます」 |
② 事情 | やめる理由をやんわり伝える | 「生活の変化もあり」「年齢のこともあり」など |
③ 継続 | 関係を続けたい意志を伝える | 「今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします」 |
「金銭的に厳しい」「もう面倒」など、ストレートな理由は避け、
“感謝を軸に”お伝えすることが大切です。
お歳暮をやめたいときの例文集
親戚向け
いつも温かいお心遣いをいただき、ありがとうございます。
これまでお歳暮でご挨拶させていただいておりましたが、生活の変化もあり、
今年を一区切りとさせていただきたく思っております。
今後とも変わらぬお付き合いを、どうぞよろしくお願いいたします。
親同士向け(両家間)
いつもお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。
両親も年齢的に贈り物の準備が少し大変になってきたようで、
お互いに気を遣わずにいられるようにできたらと話しておりました。
今後は形式にこだわらず、これまで通り気持ちのこもったお付き合いを続けられたらと思っております。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
目上・ビジネス関係向け(修正版)
拝啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
これまでお歳暮にてご挨拶させていただいておりましたが、諸般の事情により、
本年を一区切りとさせていただきたく存じます。
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
※この表現であれば、こちらからお歳暮をやめたい旨を伝える際も自然で、相手への敬意も十分に伝わります。

「やめます」と言いにくいときの自然なフェードアウト方法

お歳暮をいきなりやめるのが難しい場合は、次の方法で段階的に整理できます。
- 品物の金額を下げる、または実用品に変える
- お中元を先にやめて様子を見る
- お礼状や寒中見舞いのみに切り替える
- 最後の年に「これまでのお付き合いに感謝し、一区切りとさせていただきます」と一文を添える
このように段階を踏めば相手も自然と察してくれるため、角が立ちません。
お歳暮をやめるタイミングと伝え方まとめ
- お歳暮をやめるのは失礼ではなく、「感謝を伝える一区切り」と考える
- 3〜5年を目安に、無理のないタイミングで整理する
- 親戚・親同士には「お互いに気を遣わずに」という前向きな表現がベスト
- 直接言いにくいときは、少しずつフェードアウトして自然に終わらせる
- 最後に必ず「感謝」と「今後もよろしく」の一言を添えることで、関係は円満に保てる